北条の歴史、史跡、観光


≪地域概要≫
≪北条高広(越後毛利氏)と北条城址≫
≪北条十五夜祭りと八幡神社・石井神社≫
≪米山検校の生誕地・勝海舟の父祖の地「杉平(すぎひら)」≫
≪広田鉱泉「薬師の滝」≫
≪小島「イボ山」≫
≪北条の林道≫




≪地域概要≫

  現在の北条地区は柏崎市の東端に位置し、八石山脈で長岡市と接している。その昔、平安時代には「佐橋荘」(さはしのしょう)に属していた。鎌倉時代に到ると、毛利(大江)経光が佐橋の荘の一部である南条に居館を構え、地頭として支配した。この毛利経光(もうり つねみつ)が、越後毛利氏・安芸毛利氏の祖先とされる。
  北条地区は、江戸時代には南条村・北条村・小島村・山澗村・広田村・長鳥村に分かれていた。江戸時代後期、儒学者藍沢南城(あいざわ なんじょう)が南条にて学塾「三餘堂」(さんよどう)を開き、40年間にわたって塾生を世に送り出し、明治6年学制発布に伴い閉塾された。明治34年11月に南条・北条・小澗・広田・長鳥の5ケ村が合併して、人口7,655人、軒数1,223戸の新北条村が誕生した。その後、昭和31年9月吉井黒川を合併、昭和32年10月町制を施行(初代町長:佐藤稔)。
  昭和46年5月柏崎市と合併し、近代法制化における自治体としての70年の歴史を閉じた。
  この地域は自然に湧出する成分豊かな鉱泉や祭りなど秀でた特性を持つ。名所・旧跡は中世に由来するものが多くあり、特に、北条城とその城主毛利氏12代約280年の歴史がある。また、江戸時代には長鳥出身の米山検校(勝海舟はその曾孫)が大飢饉の故郷を救済した史実が残る。
  地域を特徴付ける産物としては、現在、「つららなす」(商標登録)開発等の取り組みがされている。


≪北条高広(越後毛利氏)と北条城址≫

  直江兼続(なおえ かねつぐ)の生涯を描いた2009年のNHK大河ドラマ「天地人」にも登場した北条高広は、この新潟県柏崎市内の北条地区を本拠地として活躍した武将。

◆北条(きたじょう)氏
  北条氏の本来の姓は毛利であり、北条氏は安芸(現在の広島県の西部。毛利元就の生誕の地)の毛利氏と同族。鎌倉時代に毛利経光がこの地の地頭となり、後に本拠地の地名である「北条」を名字として北条氏を名乗った。安芸の毛利氏は毛利経光の次男の系統。

◆北条高広(きたじょう たかひろ)
  長尾景虎(上杉謙信)に仕えた武将。上杉謙信の没後、養子同士での跡目争い「御館の乱」では子の北条景広とともに上杉景虎に味方して上杉景勝(直江兼続の主君)と戦うが、北条城などを落とされ敗北、その後、景勝に仕えたとされる。

◆北条城址(きたじょうじょうし)
  市指定文化財。JR北条駅を背にして目前の標高150mほどの小山、その頂きに北条城があった。地元では「城山(じょうやま)」と親しまれている。戦国時代後期の山城で、その遺構は本丸・二の丸を中心に多くの曲輪群と大規模な空掘群が良い状態で保存されている。城下には毛利氏ゆかりの専称寺、普廣寺(普広寺)がある。
  なお、城址や神社・仏閣等巡りのため、「北条毛利いにしえロード」を設定、要所ごとに分かりやすい看板が設置され、持ち歩きしやすいマップ入りのリーフレットも用意されている(問合せ先:北条地区コミュニティ振興協議会)。





≪北条十五夜祭りと八幡神社・石井神社≫

  北条の十五夜祭りは毎年9月中旬の2日間にかけて行われている、平和安泰、豊作祈願の祭り。
  宵宮には北条地区(四日町、家近、荒町、十日市)の各町内で趣向を凝らした灯籠、屋台奉納が祇園拍子の音と共に、また、男子25歳厄年の立額奉納の行列が鉄杖の音と共に八幡神社(上の八幡様)と石井神社(下の八幡様)に向かう。
  約400年前から始まったとされる古式ゆかしい行事で、立額を破壊し破片をひとつ残らず棒に荒縄で括り付ける立額奉納の有様は珍しく、奇祭と言われている。また宵宮には奉納行列がJR北条駅に集まったところに盛大な花火が上がって、祭りは最高潮に達する。





≪米山検校の生誕地・勝海舟の父祖の地「杉平(すぎひら)」≫

  米山検校(よねやま けんぎょう 1704〜1771)は杉平集落(東長鳥)に生まれた。幼くして盲目となり按摩などを身に付けて江戸に出た。その後、財を成し、故郷が大飢饉の際には救援米を送って飢餓を救った。その当時の御礼塔を今でも見ることが出来る。
  臨終の間際、何人もいた我が子の前で「親の財産をあてにするな」と、財を成した根幹となる武家の借用証を全て燃やしたと伝わる。
  米山検校の子孫(曾孫)に勝海舟、その妹の順子(佐久間象山の妻)がいる。
  「長鳥工房」では、自然乾燥した地元産の蕎麦と険しい山肌で何年もかけて育った山芋をふんだんに使った伝統の「長鳥そば」が季節限定で提供されている(要予約)。





≪広田鉱泉「薬師の滝」≫

  「広田鉱泉」は北条の奥地、喧騒をさえぎる緑の重なる谷間にあって、ウグイスのこだまする静かな世界が広がっている。
  広田鉱泉2つの宿、中山館、湯元館を過ぎ、薬師堂の脇を抜けて原始のままのような沢筋を100メートルほど行くと、地元でもごくわずかな人にしか知られていない、通称「薬師の滝」が現われる。瀬にはサワガニが潜み、岩肌を滴る水音は時の流れを忘れさせる一服の涼をもたらす。

広田鉱泉「薬師の滝」






≪小島「イボ山」≫

  小島集落の「イボ山」は高さ110メートル程。苗場山、米山、日本海が一望できる山頂の斜面には、千数百株ものアジサイが見事。また、桜並木、山百合なども迎えてくれるちょっとした山歩きの好適地(ご注意:道中の道路は狭く、砂利道が続きます。ゆっくり走行ください)。

 ・更にアジサイの写真 ⇒イボ山のアジサイ(2011年の様子)




≪北条の林道≫

  北条は、柏崎と長岡をへだてる山並みの西側に位置しており、数々の林道があります。北条城跡に近接する「林道本条線」、広田鉱泉等と菅沼とのアクセス道路「林道大広田線」、山並みの稜線を走る広く整備された「広域基幹林道八石山線」(石川峠〜塚山峠までの17.7q)、そうした林道をご紹介します。
  なお、「広域基幹林道八石山線」(周辺図:462KB)を除き、四輪には狭く危険なダートとなっているので通行には十分ご注意ください。

  ◆2013年の状況◆
 ・2012年には災害復旧工事終了が見込まれた通称”金倉山登山道”は、2013年秋までの予定で工事継続につき、通行止め中です。 ⇒ 代替路のご案内
 ・2013年秋、上記の工事終了。変貌した金倉山登山道入り口の様子をご覧いただけます。 ⇒ 写真奥が広田集落側




HOMEへ



inserted by FC2 system